もくじ
そもそも、放射線は体によくないのか?
「放射線」という言葉は多くの方には「体に悪い」「良くないもの」というネガティブなイメージをお持ちだと思います。それは私たち人類が過去に、中越地震や、東日本大震災における原発被害、少し遡れば、チェルノブイリ原子力発電所で事故がイメージとして強く焼き付いていることが恐怖心や警戒心に繋がっていると思います。
もちろん、強力すぎる放射線は体細胞を破壊し私達を最悪の場合死に至らしめます。
しかし、自然界には、ごく自然に放射線が存在する
しかし、自然界にはごく自然に、私達は日々の生活の中でごく自然に放射線を浴びています。大半は宇宙線と呼ばれる宇宙から降り注ぐ放射線です。宇宙には私達の地球上よりも遥かに多い放射線が漂っています。地球には磁場があり、そのお陰で地球に降り注ぐ放射線量が私達の致死量には到底及ばない安全なレベルまで軽減されるのです。また、宇宙線以外でも、地表や海、川にも様々な放射線を発する物質「放射性物質」があります。例えば、ウランやラジウム、ラドンです。それらを含んだ温泉が、私達にも馴染みある「ラジウム温泉」や「ラドン温泉」です。
私達は年間平均で1人あたり、2.4ミリシーベルトの放射線を浴びているとされています。
下記は放射線量の目安量です。(全てミリシーベルト)
- 7000以上 死亡率100%
- 5000 死亡率50%
- 3000 死亡率50%
- 1000 10%の人に悪心、嘔吐
- 500 抹消血中のリンパ球の減少
- 250 治療が必要な報告なし
- 6.4 年間被ばく量の高い地域(ブラジル)
- 2.4 私達の年間平均放射線被ばく量
- 0.05 レントゲン写真1枚
参考文:医師も認める!!健康&美容の最新情報
大量に浴びると有害だが、少量(適量)は有益
微量な放射線を浴びることは人体に有益な作用をもたらします。この現象を「放射線ホルミシス」と言います。
「ホルミシス(hormesisi)」は、ある物質を高程度に、大量に用いる場合は有害だが、有害にならない適量、微量を用いると、有益な作用をもたらすこと。
例えば、お酒は飲みすぎると害だが、適量は血液の循環をよくしてくれ代謝を高めます。これもホルミシスの一つです。
日本的に、端的に言ってしまえば「良い塩梅なら体にいい」ということだと、私は解釈しています。
放射線に限らず、例えば・・・・
トレーニングも適度な負荷は筋肉の成長を促しますが、負荷が過ぎれば怪我をします。
お風呂も適度な温度での入浴は体に良いですが、極端に冷たかったり、熱かったりすれば体に悪いばかりか、命に関わります。
毎日食べるご飯だって、体に良いからと、ある一定の栄養素を摂り過ぎれば、栄養過多になり内臓に負担がかかり疾患になってしまいます。
温泉なんて、もっとそうです。(温泉旅館の経営者が言うのも何ですが・・・笑)
どんな泉質の温泉も、限度を越えれば体に悪影響はあります。本来温泉とは体が温泉の刺激に反応することで効能を得ることが基本となります。その刺激が強すぎたり、長時間に渡ったりすれば当然、体には害になってしまいます。
そう「ちょうど良い塩梅」が大切なのです。
放射線ホルミシスの発見
放射線ホルミシスの効果を最初に発見したのは、アメリカミズーリ大学の生命科学学者トーマス・D・ラッキー先生です。(ワンピースじゃないですよ。笑)
発見に至った経緯は、NASAからの依頼でした。宇宙事業で各国競い合っている最中、「宇宙での放射線(宇宙線)が、宇宙飛行士にどんな影響を与えるか調べてくれ!」と先生に依頼があったことがきっかけだそうです。
研究をはじめラッキー先生は気づきます。「あれ?宇宙飛行士のみんな、宇宙から帰って来た後の健康状態の方がよくない?なんで?」と。そこで、「低量な放射線は人体に有益な作用をもたらす。」という仮説を立て研究を開始するのです。
しかし、当時の世論は「どんなに微量でも、放射線は危険である」という認識が一般的でラッキー先生の学説はあまり支持されませんでした。
ところが、1980年頃に日本の電力中央研究所が中心となってラッキー先生の論文を本格的に検証が始まり、その研究は10年にも及びました。その結果、低放射線は人体に有益な作用をもたらすことが明らかになりました。
以後、たくさんの研究が勧められ、今では低放射線は有益な作用をもたらす=「放射線ホルミシス」という学説は一般的に認知され医療の現場でも利用されるようになります。