湯治をすると、体の調子が整う。古くから人々が体で感じてきたこの感覚。
まだまだ解明されていない部分も多い不思議な温泉ですが、現在分かっている範囲で、
湯治をすることで得られる良い効果をご案内いたします。
もくじ
①体温が上昇し、血流が良くなる
温泉に入る大きなメリットの一つが温熱効果と、静水圧効果、により体温が上昇し血流が良くなります。血液は、体内の老廃物を排出すると同時に、摂取した栄養を体の隅々まで行き渡らせる働きがあります。
②バランスの良い食事で、栄養補給ができる
湯治中にご提供している食事は、お肉や野菜をバランスよく取り入れた一汁四菜の健康食です。身体を回復するための栄養をしっかりと摂取することができます。また、温熱効果で血流も良くなっているため、摂取した栄養がしっかりと体へと吸収されていくのです。また、老廃物も排出されやすくなっているので、より一層、身体へ、じんわりと染み込んでゆきます。
③副交感神経が優位になり、深い睡眠と、より効率的な栄養補給が促される
ぬるい温泉へ入浴することにより、副交感神経が優位になります。その結果、夜は普段よりもぐっすりと深い眠りにつくことができ細胞の回復を助けてくれます。また、副交感神経優位の状態の際には、胃腸の働きが活発になり、血流が良くなる効果と相まって、身体への栄養補給がスムーズに行われるという、一石二鳥の役目を果たすのです。
③生活のリズムが整う
3泊以上、連泊湯治をすると、お食事時間などがある程度決まっているため、必然的に生活のリズムが整いやすくなります。朝昼晩と、身体を修復するための栄養を補充し、お風呂で体を温める。合間時間に、軽い散歩などを行い、適度に筋肉を刺激してあげる。食事の時間がある程度固定されると、生活のリズムも改善されやすくなります。
④転地効果で脳がリフレッシュ
人間の脳(心)の面白い作用で、転地効果というものがあります。人間は、普段の日常から離れた、落ち着いた環境に身を置くと、心身ともに普段よりもリラックスしやすくなるのだそうです。山や、川など自然の中に行くだけで「はぁ~」とリラックスできるのはこのためです。お休みをとるときは、いつもと違う、環境、特に自然に近い環境に身を置くことが脳の作用からも良いと言われています。
⑤ホルミシス効果
ラジウム温泉(ラドン温泉)の恩恵として、ホルミシス効果というものがあります。これは、ある種の刺激を過度に受けると身体にとって有害だが、適度な刺激は身体にとって良い効果をもたらすというものです。放射線は、浴びすぎればもちろん身体に有害です。しかし適量を浴びることは細胞を刺激し、本来の自然治癒力を高めてくれます。栃尾又温泉の放射線量は、250時間入浴して、胸部のレントゲン写真1枚分というほんの僅かなものです。したがって、人体にとって有害な被ばく量には到底及びません。しかし、ほんのわずかなこの放射線が私たちの身体を本来の状態に戻す手助けをしてくれるのです。
⑥伝承による効果(プラシーボ効果)
人間には、実際に受けていない刺激でも、脳が強くイメージすることで、身体がその刺激を受けかのように体に影響を与えることがあります。これをプラシーボ効果といいます。(レモンを食べていないのに、酸っぱいイメージで唾液が出るのもこの一種)簡単に言えば、思い込み。ですが、これは医学的にも実証されており、強く思い込むこと、イメージすることで、実際に免疫力が上がることが分かっています。もちろん、科学的な観点から、温泉にはしっかりと効果が期待されます。そこに、伝承や、歴史といった、たくさんの人々が紡いできた、過去や実績を知ることで、温泉に対する安心、期待、信頼が生まれ、温泉の恩恵を受けやすい環境が作られると言われています。
以上が、湯治で心身共に、ゆっくりと休むことが出来る理由です。これ以外にも、まだまだ解明されていない、温泉の効果、科学的なメカニズムが明かされていくでしょうが、明かされなくても、一度体験していただければ、湯治の良さは身体がしっかりと覚えてくれます。つかれたな~、と思ったときは、是非一度、湯治にいらしてみてください。